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May
12
2007

凱旋門賞とドレスコード

日本における今回の凱旋門賞関連の報道で、日本人観戦客が最も批判されたことは、服装についてでしょう。
日本批判大好き新聞の悪意ある誇張報道をはじめとして、あちこちの日本のワイドショーや週刊誌は、「エレガントな紳士淑女の社交場なのに、ドレスコードをわきまえない馬鹿な日本人が大勢いて大ひんしゅくだった」と伝えていたようです。
しかし、実際に観戦した私たちには、ほとんどそういう印象はありませんでした。
帰国後、友人・親戚など多くの人に、「変な服装の日本人がいっぱいいたみたいだね」「ひんしゅくだったらしいね」と言われて本当に驚き、実際に週刊誌の記事を読んでみて、あまりのギャップに唖然としました。
現地にいた人間として、このままでは心外なので、ここではっきりと訂正しておきます。

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凱旋門賞当日の服装は3タイプ

凱旋門賞当日の日本人の服装には、大きく分けて3つのタイプがありました。

1 フォーマル系

普通の日本人代表まずはスーツ・ジャケット・ワンピースなど、フォーマルを意識している人。
日本人の大多数を占めていたのは、このタイプです。
私たちも凱旋門賞のためにスーツを新調し、きちんとした服装で行きました。
凱旋門賞とはそういうレースだと思っていましたし、おそらくほとんどの日本人観戦者がそう考えていたことと思います。
しかし、どうしても絵的には地味なので、新聞や雑誌にはスルーされていたタイプです。

2 コスプレ系

現地の人にはウケてたんじゃないか?次のタイプは勝負服Tシャツや、馬のマスクなど、ちょっと張り切りすぎて空気が読めなくなってしまったタイプです。
絵的には派手なので、頻繁にメディアには登場します。
おそらく日本でテレビを見ていた人にも、こういう日本人が多かったと映ったことでしょう。
しかし、実際のところは、応援Tシャツを着たファンすら意外にも少なく、数えることができる程度でした。
また、このタイプの人たちがひんしゅくを買っていたという報道もありましたが、実際は現地の人にも大人気で、何度もインタビューを受けたり、外人の人から一緒に記念写真をお願いされたりしていました。
実際、凱旋門賞当日のロンシャン競馬場は、お祭りのような雰囲気なので、こういう服装でもそれほど「痛い」感じはありませんでした。

3 カジュアル系

現地の観戦客の大半はこんな感じ最後のタイプは日本の競馬観戦と同じようなカジュアルな服装の人。
こちらもまったく違和感なしでした。
というのは、そもそも現地の人の服装がカジュアルなのです。
凱旋門賞というと、とかく華やかな場面ばかりが強調され、ヨーロッパの紳士淑女の社交場といったイメージがあります。
もちろん、そういうセレブな人や着飾ったレディーもいるのですが、実はフツーのフランス競馬オヤジも大量にいるのです。
そういう人々がスーツやネクタイなど着用しているはずもなく、ジーンズ、ポロシャツ、ジャンパーなどが当たり前。
ジャージ姿の若者などもいました。
そういう意味では、実はこのタイプが最も現地に馴染んでいたと言えるかもしれません。

日本人の大半はフォーマルな服装

開門待ちの日本人を見てもそれほど場違いとは思いませんがただし、もう一度言いますが、日本人観戦者の大半はしっかり場をわきまえたフォーマルな服装だったのです。
中には和服を着ている女性もいました。
日本人がちゃんとした和服を着れば、どんな高級レストランでも入れますから、これほど完璧な正装はありません。
つまり、エレガントな紳士淑女の社交場でドレスコードをわきまえない日本人が浮いていたという事実はほとんどなく、むしろ現地の人は熱心な日本のファンの姿を見て感心していたとさえ言うべきでしょう。

この国のマスコミ

マスゴミってしかし、凱旋門賞後の日本での報道は、とにかく日本人をこきおろすためとしか思えないようなものでした。
凱旋門賞に行った日本人は、「日本の最強馬が世界最高峰のレースに挑戦する。それを応援したい」という純粋な気持ちで応援に行った人が大半でしょう。
それを、わざわざ事実を捻じ曲げてまで、「わざわざフランスまで行って大騒ぎした馬鹿な日本人」的なスタンスで取り上げられては、本当に情けなくなります。
また、某有名競馬誌で、関西の某中堅騎手が「フレンチレストランにTシャツで行ったりしないでしょ。わきまえてほしいよね」みたいなことを言っていました。
おそらく彼は実際に現地を見たわけでもなく、メディアが流す情報に踊らされているだけなのでしょう。
しかし、それでもファンの気持ちを大事にする騎手のコメントとは到底思えません。
つまり、こうしたメディアの報道には、はるばるディープインパクトを応援に行った人々に対するシンパシーが全く感じられないのです。

当日の服装はTPO次第

セレブのスタンドではフォーマルですがでは、実際に凱旋門賞観戦にはどういう服装で行くべきなのか。
女王陛下臨席の際のイギリス競馬では厳しいドレスコードがありますが、凱旋門賞にはどうやら「これでなければならない」というドレスコードは無いようです。
そのような中で周りから浮かない服装とは、「観戦するスタンドによりけり」ではないでしょうか。
指定席(=セレブな席)で観戦する場合は、それなりにフォーマルな服装でないと場違いになるでしょう。
ここではTシャツやジーンズは避けるべきです。
自由席(=庶民席)の場合は、現地の人も実に様々な恰好なので、何を着てもあまり違和感はありません。
堅くて冷たい石段に敷物もなく直に座るので、ここで着物やバリバリのフォーマルドレスを着ていると、逆に浮きます(ただし、そういう派手な外人のおばさまも中にはいらっしゃるので、それもありです)。
庶民のスタンドではいたってカジュアルですまあ、当日はスタンドにばかりいるわけではありませんから、シャンパンを買いに行ってあまりにショボい恰好だと、心の中で「貧乏人め」と馬鹿にされるかもしれませんが。笑。
トータルで考えると、男性ならスーツかジャケット、女性ならお呼ばれフォーマルとか軽いパーティー程度が無難ではないかと思います。
また、「凱旋門賞の華やかな雰囲気の中でおしゃれして写真を撮りたい」と思っている人は、いくらドレスアップしても問題ないと思います。
帽子も現地で売っていますから、エレガントな帽子を買ってセレブモードで記念撮影も楽しいでしょう。

本当の競馬ファンって何かね?

ところで、帰りにバスを待っている時、私たちの後ろに日本人の若者がいました。
がっくり膝をつき、真っ赤な目でうなだれていました。
まだ高校生といってもいいくらいの若者で、トレーナーにリュックを背負い、友人もなく一人でした。
彼は「エレガントな紳士淑女の社交場」では「浮いていた」かもしれません。
「わきまえてほしいよね」とも言われるのでしょう。
しかし、ディープを応援するためにフランスまでやって来て、ディープが負けて本当に力尽きてうなだれている彼のような人こそが、ある意味その場に最もふさわしい人だったのではないかと思うのです。

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Comments:2

ライカ 2012年9月24日 09:59

今年の凱旋門賞を現地観戦する為、参考に拝見させて頂きました。
最後の「本当の競馬ファンって何かね?」の項目、感銘を受けました。
競馬ファンの気持ち、粗探しばかりしている日本のマスコミなんかにわかってたまるかと思いました。
読んでいてスッキリしました。

他の記事も、とてもわかりやすく、参考になりました。
ありがとうございました。

シュクル 2012年9月24日 12:37

ライカさん、コメントありがとうございます。
今年の凱旋門賞を観戦なさるんですね。うらやましい!
おっしゃる通り、日本のマスコミは粗探しや捏造ばかりで嫌になりますね。
この時も、「ヨーロッパの競馬場は社交場だから日本のように鉄火場の感覚で行くと場違いです」みたいに書いてあって、ほんとにマスコミって、なーんにもわかってないんだなと痛感しました。
そんなゴミは気にせず、凱旋門賞を楽しんできてくださいね!

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