(この記事はシュクルが執筆したものです。)
「ベルサイユのばら」は、私が初めて読んだ長編漫画です。
それまで他愛のない四コマ漫画しか読んだことのなかった小学生の子どもにとって、ベルばらのめくるめく世界は衝撃的でした。
今回のフランス旅行にあたり、久しぶりに読み直してみようと思って実家に探しにいったのですが、倉庫の中で行方不明となっていたので、捜索を断念し、Amazonで「完全版」を第8巻まで大人買いしました(9巻は新しく書き加えたもので、絵柄も当時と著しく変わっているので外しました)。
Amazonから届いて、まず装丁の美しさに感動。実家のコミックスは手垢にまみれ猫がかじり、小学生の時点で既にぼろぼろだったのです。
元のコミックスにはなかったカラーページも再現され、保存版にふさわしい豪華さです。
あまりの美しさに感動し、すぐにブックカバーも装着しました。大人ってスバラシイ... 。
そして早速読んで、もう涙、涙。号泣。やっぱり名作です。文句なし。
舞台は18世紀フランス。オーストリアハプスブルグ帝国皇女として生まれ、後にフランス王妃となり断頭台の露と消えたマリー・アントワネット、フランス名門貴族の娘として生まれ女ながら父将軍の跡を継ぐべく軍人として育てられ革命に散るオスカル・フランソワ、二人と深く関わることになるスウェーデン貴族フェルゼン、身分違いに苦しみながらもオスカルを陰ながら愛し続けるアンドレ、この四人を主要人物として、フランス革命を軸に史実にフィクションをまぜながら物語は展開していきます。
まだ子どもだった私には分からないこともありましたが、貪るように読みました。もう、何回読み返したか分かりません。せりふをほぼすべて暗記していたくらいです。
初めは、豪華絢爛なドレスや、アントワネットやオスカルの美しさにうっとりして、ただただ憧れていました。
外国の宮廷、お姫様、国王、かっこいい騎士、ドレス、ダンス、女の子にとっての憧れの要素がぎっしり詰まった漫画は、政治的知識皆無の幼い子どもでも十分面白いものでした。
しかし、ベルばらがこんなにも長い時を重ねて、なおも多くの人に愛され続ける理由は、そういう見た目の美しさ、豪華さだけではなく、登場人物たちの生き様にあると思います。歴史の波に翻弄されながらも精一杯自分らしく生きようとする主人公たちの姿に胸を打たれるのです。
男女の愛、親子愛、友情、祖国愛、革命、人間の尊厳、いろいろなものを私はベルばらから教わりました。
この本は私のバイブルであり、私の人生観の根幹を形作ったといえるでしょう。
少女漫画の代名詞とも言える作品ですが、男性の方もそういう偏見にとらわれず、「三国志」のような歴史作品として、また、大河小説として読むことをおすすめします。
登場人物も実在の人が多いので、マリー・アントワネットやルイ16世などが生身の人間としてイメージしやすくなります。
そうすると、ベルサイユ宮殿やコンシェルジュリーなど、ゆかりの観光スポットに行った時の感慨が全然違うことでしょう。
パリに行くなら絶対に絶対に読んで損はない本です。
| ベルサイユのばら―完全版(1) | |
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