春日山城跡は、上越市(旧直江津市)にある山城です。
有名な戦国大名上杉謙信の居城として知られ、自然の起伏を活かした難攻不落の城として、「日本100名城」の一つに数えられています。
折りしも2007年の大河ドラマ「風林火山」で上杉謙信が大きくクローズアップされたばかりですし、2009年の大河ドラマ「天地人」の主人公も上杉家の家臣・直江兼続です。
そういうわけで、今年のGWは春日山城跡を訪れる絶好の機会と思い、5月4日に訪れてみました。
ところが、実際に訪れてみてがっかりしました。
あまりにいろいろなところが残念すぎて、自分でもよくわからなくなってきたので、ちょっと整理してみます。
1 謙信公像前が駐車場
はっきり言って、これは正気を疑いました。
春日山城跡の一番の見せ場とも言える謙信公の銅像前が、なんと駐車スペースになっているのです。
しかも、大駐車場というならまだわかりますが、ほんの十台ほどの車が停められるだけの小さな駐車場です。
そんな小さな駐車場ですから、当然、そこまで来てみたものの、空きスペースがなくて引き返す車が後を絶ちません。
この車がまた観光者にとって邪魔以外の何ものでもなかったりします。
これはもう謙信公の銅像前で写真撮影するのを邪魔するための嫌がらせとしか思えません。
春日山神社付近には、こういう数台しか停められないような小さな駐車場が散在しているのですが、石段下に大駐車場があれば十分です。
そこに車を停め、長くて急勾配の石段を登ってこそ、春日山神社に訪れた感慨も増すというものです。
謙信公像前に駐車場を設けるにしても、石段を登れない高齢者・身障者駐車場として、謙信像とは反対側に数台のスペースを設けるなどの配慮はできないものでしょうか?
2 ソフトクリームがない
観光地での一休みといえば、ソフトクリームです。
特に、晴れた日に外で食べるソフトクリームは格別です。
春日山城跡でも、たくさんの訪問客がソフトクリームを食べていました。
が、残念ながら、食べていたのはちゃんとしたソフトクリームではありません。
新潟県内ならあちこちで買うことのできる袋詰めのコシヒカリソフト(アイスクリーム)です。
このコシヒカリソフトは中に米粒が入っていて、それはそれで美味しいのですが、アイスボックスで売られているソフトでは、やはり味気なさを感じます。
普通のソフトクリームでもいいですから、やっぱり観光地にはちゃんとしたソフトクリームを置いてほしいところです。
もしも塩キャラメルソフトとか開発して、「謙信ソフト」という名前で売っていれば、むしろエース級のご当地ソフトだと思いますけどね。
3 土産屋がいけてない
土産屋には、上杉謙信の「毘」「龍」とか直江兼続の「愛」とかをデザインしたグッズが豊富で、特にTシャツや小旗のカッコよさは、新撰組グッズにも匹敵します。
また、謙信キティや謙信キューピーなど、どこの観光地でもおなじみのご当地グッズもしっかり揃っています。
こう言って思い出すのは、五稜郭タワーの土産売り場ですが、あそこと比べると、あまりにも貧弱で、購買意欲がちっとも湧きません。
どうやら個々の土産物屋で経営しているようですが、春日山城跡の駐車場付近に共同物産館でも作って、五稜郭スタイルで扱えば、商品自体は秀逸ですから、かなり売れそうな気がするんですが...。
4 苦労して登った本丸に何もない
春日山城の当時の絵図をみると、非常に立派な天然の要塞だったようです。
そのスケールを体感するには、自分で本丸まで攻めてみるのが一番でしょう。
本丸までの道のりは、1時間ほどのハイキングコースになっていて、それなりの覚悟が必要です。
が、苦労して登ってみたところで、今や本丸には何もありません。
「本丸址」と書かれた石碑が立っていて、頚城平野を眺めながら、long long agoを感じるばかりです。
上越市制20周年で高田城が復元されたように、市制50周年には春日山城が復元されるのでしょうか。
せめて登山の労力に見合うだけの何かがほしいところです。
5 上杉謙信について何もわからない
上杉家の歴史というのは、なかなか複雑です。
そもそも上杉謙信(長尾景虎)という人物そのものに謎が多く、その説明だけでもボリュームは十分です。
また、五度に渡る川中島の合戦は、戦国史を彩る一大イベントですから、それを解説しようとすれば、枚挙に暇がないでしょう。
しかし、こうした歴史を学習するスペースが、春日山城にはどこにもないんですね。
最近の歴史資料館は、パネル展示が主流のようです。
会津の鶴ヶ城は、かつては展示物を並べていただけでしたが、会津藩の歴史や会津戦争を美麗なパネルで説明するようになって見違えました。
つい最近訪れた伊能忠敬記念館も、その生涯や伊能図をパネル展示で詳しく説明してあって、予想外の充実ぶりでした。
五稜郭タワーに至っては、箱館戦争当時の展示物は一つもなく、パネルと模型による解説があるだけでしたが、見ごたえは十分でした。
極論すれば、史料を見て喜ぶのはマニアだけで、一般の観光客は物語を求めて足を運んでいるように思います。
幸い、謙信ゆかりの林泉寺の宝物殿には、謙信にまつわる貴重な史料が多数残っています。
これらの史料をただ列挙するのではなく、先の資料館を手本にして、しっかりと物語をつけて見せるようにすれば、相当充実した資料館になれるポテンシャルを秘めていると思います。
【関連記事】 越後上越謙信公と春日山城展
6 Gackt色ゼロ(笑)
妻は相当がっかりしたようです。
大河では他の出演者を完全に食っていましたし、2007年の謙信公祭の異常な盛り上がり、そして紅白(とニコニコ)での反応を見る限り、もはやGacktはなくてはならない存在かもしれません。
NHKから大河の衣装を買い取って展示したり、謙信公祭の写真・映像を展示すれば、それだけのために訪れる観光客もいるでしょう。
【関連記事】 第85回謙信公祭GACKT出陣観覧記
7 何をすればいいかよくわからない
「いろいろあるのは何もないのと同じ」と言われますが、まさに春日山城址からは、すべての観光客にこう動いてほしいというモデルルートが見えません。
例えば、
石段下の大駐車場に車を停めて、名物とも言える長い石段を登り、ようやく着いた神社でお参りして、おみくじを引いて神となった謙信の声を聞き、謙信公の銅像前で記念撮影して、隣の茶屋で上越市街を見渡しながら謙信ソフトを食べる。
山を降りたら上杉記念館で豊富な展示物とともに上杉謙信の物語を学び、その一角にある謙信公祭コーナーでGacktの大河衣装を見て、最後に1階の物産館で上杉謙信グッズを買って帰る。
こうしたわかりやすいルートがあれば、別に本丸を復元しなくとも、それなりの充実感を味わえると思います。
つまるところ、今の春日山城跡は、上杉謙信という戦国時代のトップブランドを持ちながら、そのポテンシャルがほとんど生かされていないように感じます。
春日山城跡の駐車場には、つくばや大阪や香川など、たくさんの県外ナンバーがありました。
そうしてはるばる遠方から訪れてくるほど、上杉謙信にはネームバリューがあるわけですから、そうした観光客の期待を裏切らないような観光地になってほしいと願っています。
【後日談】上杉謙信が愛した居多神社
【比較記事】米沢の天地人博2009が素晴らしい
| Gackt 龍の化身 | |
![]() |
撮影 野村誠一 おすすめ平均 ![]() CG以上の美しさ。 今まであったイメージが良い意味で崩れた 「風林火山」のGackt写真集 ふとした瞬間を捉えたショットに心打たれる こんなに見て満足する写真集は他にない!Amazonで詳しく見る |










