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Aug
29
2009

伝国の杜・上杉博物館2009年7月11日11:30
米沢城址を散策した後は、道路を挟んで向かい側にある伝国の杜・上杉博物館へ。
ガラス張りでスタイリッシュな外観の大きなハコモノで、現在は「天地人博2009」を開催しています。
結論から言えば、これが素晴らしかった。
以前、春日山城の記事を書きましたが(春日山城跡は残念な観光地でした)、まるでこの記事を読んで反面教師にしたんじゃないかと思えるほど、観光地として充実の仕上がり。
ここに米沢の本気を見る思いでした。
もうね、「天地人対決」とか言うのもおこがましい。新潟の圧敗ですよ、圧敗。
この際ですから、天地人博2009の素晴らしさをまとめておこうと思います。

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1 妻夫木兼続がお出迎え

妻夫木兼続がお出迎え建物に入るとまず目に入ってくるのが、妻夫木聡が扮する直江兼続の等身大パネル。
もちろん、記念写真撮影用にあるわけですが、言うまでもなく周囲は黒山の人だかり。
傍らには、紙でできた愛の兜も置いてあり、みんなそれをかぶっては、楽しげに「直江兼続」と写真を撮っていました。
別に妻夫木ファンではない妻も、「わーい、妻夫木くんだ!」と大はしゃぎで記念撮影。
春日山城ではGackt不在に涙した妻でしたが、このわかりやすい主役登場に、早くも米沢に対する好感度がぐっとアップしたようです。
ここを訪れる観光客が何を求めているのかちゃんとわかっているというのは、観光地として重要な要素です。

2 マスコットキャラクター「かねたん」が大活躍

かねたん米沢には、「天地人推進プロジェクト」というのがあり、かねたんというマスコットキャラクターがいます。
昨今のゆるキャラブームも手伝って、新潟にもたくさんの天地人キャラがいるのですが、いろいろありすぎてさっぱりわけがわからず、アピール度ほぼゼロ。
一方の米沢では、まさにかねたん一色。
この天地人博2009でも、チケット、パンフレット、土産物、休憩コーナーなど、あらゆるところがかねたんだらけ。
もちろん、着ぐるみかねたんも抜かりなくスタンバイ。
着ぐるみ好きな妻が、順番待ちをしてまでかねたんと記念撮影していたのは言うまでもありません。
いまや、観光地には欠かせないマスコットキャラクターの存在。
キャラのデザインそのものも大事ですが、いかに上手く活用するかも重要だと、つくづく思いました。

3 米沢観光ガイドマップがプロの犯行

秀逸なガイドマップ建物の一角には、観光ガイドや観光マップが置いてある棚があります。
で、この観光ガイドマップの出来がすばらしい。
まずデザインが秀逸。
表紙に入り切らないほどの「かねたん」の顔が印象的な「かねたんの直江兼続ガイドマップ」、上杉家に伝わる紺地に日の丸の幟旗をモチーフにした「米沢あるき・通り名マップ」、アニメ絵の猫御前が描かれた「旅するふくしま」。
いずれも、見たら思わず手にとってしまうような観光ガイドです。
中身もフルカラーの地図や歴史解説が盛りだくさん。
特に「米沢あるき・通り名マップ」などは、米沢駅から徒歩で回れるモデルコースもしっかり設計されてあって、米沢で何を見ればいいのか一目瞭然です。
私は旅のしおりマニアなのでなおさらですが、こんなクオリティのものが無料で配布されていることが驚きでした。

4 展示品の演出方法がすばらしい

かねたんクイズなんてのもあります春日山城の記事でも書きましたが、観光地における史料というのは、質や量よりも見せ方が重要です。
極端に言えば、価値のある史料がなかったとしても、当地の歴史を解説したパネルでもあれば、それだけで形になるものです。
天地人博には、「天地人コレクション」として数々の文化財が展示されていました。
が、そのエリアは実に閑散としていて、見学者は一応申し訳程度に見て通り過ぎるだけ。
天地人博で最も混雑していたのは、大河ドラマの情報展示場です。
そこにあるのは、出演者の写真入りで経緯が書かれた解説パネルと、大河ドラマで使われた小道具の数々、そして出演者のインタビューVTRで、歴史的に価値のありそうな史料はまったくありません。
しかし、押すな押すなの大盛況で、係員から「混雑していますので、他の場所からお回りください」と声がかかるほどでした。
また、国宝「上杉本洛中洛外図」も、原本は展示せず、CGを駆使した映像展示でしたが、かえって見ごたえがあったように思います。
その他にも、戦国武将の生き様を描いた「天地人シアター」には長蛇の列ができていましたし、当時の暮らしを再現したジオラマ模型や、火縄銃のシューティングゲームも、人気の一角になっていました。
そして、これだけ多種多様な展示があれば、何だってそれなりの充実感が味わえます。
「史料はたくさんあるけどつまらない観光地」と、「史料はほとんどないけど楽しい観光地」。
私が行くなら断然後者です。

5 会場一部の写真撮影が可能

中はこんな感じ日本だと、美術館・博物館での写真撮影は、ほとんど禁止されています。
この天地人博2009も、基本的には展示場内での写真撮影はできません。
しかし、場内の一角に、写真撮影が許可されているスペースがありました。
そこには特に重要な展示があるわけではありませんが、謙信や兼続の兜や旗印のオブジェがあったりして、写真映えするような工夫がしてあります。
観光者は、別に何から何まで写真を撮りたいわけではありません。
「中はこんな感じだったよ」と、説明できる1枚があるだけでいいのです。
特に、私たちのような旅行記ブロガーにとって、これほど嬉しい配慮はありません。
今の時代、ネットで写真を見て「ここ行きてー」と思うことだって多いじゃないですか。
旅行ガイドブックを買う人は、買った時点で目的地が決まっている人ですが、ネットのクチコミはそこに訪れてみようという意欲を生み出す可能性があります。
そうした意味では、むしろガイドブックより、よっぽど強い広報メディアになりかねない。
天地人博がどこまで計算して一部写真撮影可能にしたのかはわかりませんが、とりあえず「米沢GJ!」と思った一幕でした。

6 お金を使わずにはいられないお土産売り場

芋煮を食べるかねたん(クリアファイル)ほぼ一通り見終わって展示コーナーを出てくると、土産物コーナーがあります。
特に何か買おうという気があったわけではなかったのですが、自然と足を向け、つらつら眺めていると、「ああ~、かわいい!」「これもかわいい~!」という妻の声。
そこには、かねたんグッズがいっぱい。
Tシャツ、タオル、クリアファイル、ストラップ、マグカップ等々。
もちろん、兼続や謙信おなじみの「愛」や「毘」の文字が入ったグッズも満載です。
デザインだけなら、春日山城にもそれなりにかっこいいグッズがあったのですが、やはり圧倒的な量と、売り場の気合の入れようの差は歴然としています。
これなら、多くの人が立ち寄り、あれこれ手にとって品物を見て、何かしら買っていくでしょう。
ちなみに妻は、かねたんのクリアファイル2種類と、かねたんの絵本まで買っていました。

7 天地人対決の行く末は10年後に表れる

上越市も米沢市も、今訪れている観光客のほとんどは、大河ドラマ特需のおかげでしょう。
重要なのは、この中のどのくらいの人たちが、リピーターに変わってくれるかどうかです。
「天地人」の物語的なアドバンテージもあって、今のところ観光客の出足は新潟の方が一歩リードしているようです。
しかし、そうやって春日山城を訪れた観光客は、数年後、再び春日山城に訪れてくれるでしょうか?
一見さんはネームバリューで集められますが、そこからリピーターを生み出すのが観光地の力です。
米沢は、おそらくそうした戦略を思い描いている。
今回の天地人博2009を見て最も強く感銘を受けたのは、一過性の大河特需を足がかりに恒久的な観光地を育てようとする、そうした未来戦略意識の高さでした。

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