オランジュリー美術館は、チュイルリー公園の中にあります。
19世紀のナポレオン3世時代ここが温室だった時に、オレンジなど柑橘系の植物があったため、「オランジュリー」と名付けられたのだそうです。
コンコルド広場からはすぐ隣で、美術館の前からコンコルド広場のオベリスクがよく見えます。
2000年から改装工事で長らく閉館していましたが、2006年に再オープン。
小さいながらも明るくてゆったりとした空間は、日曜日の昼下がりにぴったりです。
入場はパリ・ミュージアム・パスが便利
オランジュリー美術館は、午前中はグループ見学の時間になっており、個人見学の開館時間は12:30。
朝イチから並ばなくてもいいので、午前中にシャンゼリゼや凱旋門を観光してから行くのにぴったりです。
しかも、一般チケットとパリ・ミュージアム・パスとで入場が分かれているので、ミュージアム・パスを持っていると、すぐに入場できます。
この日は日曜日でしたが、パリ・ミュージアム・パス組はまったく行列がなく、すぐに入場できました。
モネの睡蓮のための美術館
オランジュリー美術館は、クロード・モネの連作「睡蓮」を最も効果的に見ることができる美術館でしょう。
というのも、この美術館はもともと温室だったところを、「睡蓮」を収めるために美術館に改装されたからです。
「睡蓮」がこの美術館に寄贈されたのは、モネの死の翌年である1927年。
「睡蓮」の展示に関しては、モネ自身が、他の作品を展示しないことや、作品と観客との間に仕切りやガラスなどを設置しないこと、自分の死後に展示することといった条件を出してこだわり続けました。
白くて明るい睡蓮の間
入ってすぐに睡蓮の間へ。
ふたつの楕円形の大広間いっぱいに飾られた睡蓮の連作は、全部で8点あります。
どれも横に細長く描かれており、睡蓮の絵にぐるりと囲まれながら鑑賞するようになっています。
壁は白で統一され、余計な装飾は無し。
自然光に照らされた睡蓮の絵を見ていると、まるで睡蓮の池のほとりを散歩しているような感覚に陥ります。
睡蓮を遠くから見てみる
どの絵もみな微妙な色彩からなっていて、離れてみている時と、近くで見ている時で、色の感じも違います。
モネが描き続けたのは「光」。
このころのモネは、白内障を患い視力が極端に低下していたそうで、独特な光と色彩の世界は、そんな状況の中で、大画面に絵を描いて遠くから眺めるという制作方法から生み出されたのかもしれません。
睡蓮を近くから見てみる
睡蓮の花などは、近くで見ると全然花の形などはしておらず、なんだか筆でぐるっとまるっと描いたという感じです。
でも、遠くから見るとちゃんと花に見えるんですよね。
これはきっと、扇形の筆を使って描いたにちがいない。
「ね、簡単でしょう? 失敗なんてないんですよ。ここに友だちの花も描きましょう。」なんて言いながら描いていたのではないかと思ってしまいます。
パリの画家たちが集う美術館
オランジュリーと言えば「睡蓮」ですが、その他の作品も充実しています。
ルーヴルのように巨大ではないものの、そのコレクションはキラ星のごとく。
モネ、ルノワール、セザンヌ、ピカソ、マチス、ユトリロ、ルソー、ローランサン、モディリアーニ、シスレー、ゴーギャン...。
まさに「芸術の都パリ」に生きた画家たちの豪華ラインナップと言えるでしょう。
そういう意味では、最もパリらしい美術館と言えるかもしれません。
しかし、そうじっくりゆっくり見ていられないのが、旅行者の悲しさ。
しかも、シュクルは、印象派もフォーヴィスムもキュビスムもエコール・ド・パリも、はっきり言って好きじゃない。
というわけで、30分ほどで鑑賞を終え、広い広いチュイルリー公園の散策に向かうのでした。
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