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ドゥノン翼2F展示室76長い長いグランド・ギャラリーの鑑賞を終えたら、もう一度モナリザの展示室に戻り、その奥にある展示室76に移動します。
臙脂色の壁と豪華な天井画が描かれた展示室76と、その両隣にある展示室75・77は、アングル、ダヴィッド、ドラクロワといったフランスの巨匠たちの展示室。
ここもまたグランド・ギャラリーに劣らぬモンスターハウスで、しかも大作が多いので、その迫力に圧倒されます。
ソファに座ってゆっくりと、名画の競演を楽しみましょう。

アングル「グランド・オダリスク」

グランド・オダリスクルーヴル美女くらべでナンバーワンに輝いたアングルの名品。
背中を見せて顔だけこちらを見ている無表情の美女。
アングルの絵は端正な人物描写や緻密に構成された画面が特徴的ですが、この作品は、長い背中、不自然な左足の位置など、実際の人体からは外れた表現になっています。
それがかえって生々しい官能美を感じさせるというデッサンの名手の幻惑的なマジックに、釘付けになってしまうこと間違いありません。

ドラローシュ「殉教した娘」

殉教した娘展示室内の名だたる名作の中では、マイナーな小作ですが、美しく印象的な絵です。
ドラローシュは、ロンドン・ナショナル・ギャラリーの「レディー・ジェーン・グレイの処刑」に代表されるように、死を題材とした作品を得意とする画家。
この作品は、キリスト教初期、偽の神々に生贄を捧げるようにローマ皇帝に命じられた娘が、それを拒否したため手を縛られて川に投げ込まれるという場面を描いています。
水に浮かぶ美女の死体といえば、シェークスピアのオフィーリアを連想させますね。

ダヴィッド「ナポレオン1世の戴冠式」

ナポレオン1世の戴冠式ダヴィッドはナポレオンの宮廷画家。
ナポレオンといえば誰もが思い浮かべる有名作品、ウィーン美術史美術館の「サン・ベルナール峠を越えるナポレオン」も、ダヴィッドの作品です。
この作品は、ノートルダム大聖堂で行われたナポレオンの戴冠式で、ローマ法王の前で皇后ジョゼフィーヌに皇帝自ら冠を授けるシーンを描いています。
10メートル×6メートルという超大作で、登場人物も大勢いますが、中央のナポレオンとジョゼフィーヌに自然と目がいってしまいます。

ドラクロワ「サルダナパールの死」

サルダナパールの死ドラクロワといえば「民衆を導く自由の女神」ですが、こちらは前回鑑賞記事を書いたので、今回は「サルダナパールの死」の方で。
この作品のモチーフになったのは、古代アッシリアの暴君サルダナパールの殺戮劇。
圧政への反乱に最期を悟ったサルダナパールは、部下に命じて所有物すべてを処分させます。
次々と処分されていく女性を、冷静な視線で眺めるサルダナパール。
一滴の血も流れていないのに血の海を連想させる阿鼻叫喚図は、さすが色彩の魔術師ドラクロワを感じさせる傑作です。
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アングル「シャルル7世戴冠式のジャンヌ・ダルク」

シャルル7世戴冠式のジャンヌ・ダルクジャンヌ・ダルクといえば、言わずと知れたフランス救国の聖女。
当時のフランスは、内紛と百年戦争で混乱を極め、王は不在、オルレアンはイギリス軍に包囲されていました。
農村に生まれた娘ジャンヌは、「オルレアンを解放しフランスを救うこと」「王太子シャルルの戴冠式をランスで行うこと」という神の啓示を受け、フランス軍を率いてイギリスの包囲を打ち破ります。
ジャンヌはその後もイギリス軍を撃破し、ついにランスの大聖堂で王太子はシャルル7世として戴冠。
この絵は、神託を実現した清らかで誇らしげなジャンヌの姿が見事に描かれています。

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