ルーヴル美術館には、モナリザやミロのヴィーナスのような美術品以外にも目がくらむような鑑賞エリアがあります。
それがナポレオン3世の居室と呼ばれるエリアです。
ルーヴルに来てもここに足を踏み入れる人は少数でしょうし、一般にはその存在さえもあまり知られていない場所です。
これがね、それはそれはヒドイところ。
あまりのゴージャスぶり、一度見て驚いた方がいい。
こんなところがこっそりひっそりあるなんて。
バカなの? パリ、バカなの?
ナポレオン3世ってどんな人?
ナポレオン3世は、かのナポレオン・ボナパルト(ナポレオン1世)の弟の子ども、つまり甥にあたります。
ナポレオン1世失脚後の第二共和制の時、大統領に当選し、その後クーデターを起こして国民投票によって皇帝となり、第二帝政を行います。
皇帝としての彼の業績のひとつは、パリ市街地の大改造でしょう。
統一された建築物や整然と区画された街並みなど、現在見られるパリの街は、このナポレオン3世によって整備されたものです。
いわば、超魔界パリの産みの親。
その人が住んでいたところだと思うと、このひどさも納得です。
ナポレオン3世の居室
ナポレオン3世の居室は、リシュリュー翼の2階にあります。
1856年から61年にかけて、ルーヴル宮とチュイルリー宮をつなぐために造られました。
第二帝政時代は国務大臣のレセプション室として用いられていたようで、第二帝政後は、1980年代後半のルーヴル大改造まで、大蔵省として使われていたということです。
こんなところをお役人が使っていたなんて、日本なら非難轟々ですが、おフランスではそのあたりの感覚が違うのでしょうね。
サロン
う、うわあー。
入った途端、あまりにゴージャスな空間に思わず声が出てしまいます。
接客用の大広間ということですが、一面、赤と金で、目がくらむほどの豪華さ。
( ゚д゚)ポカーン
ベルベットのソファ、輝くシャンデリア、天井や壁をびっしり埋めつくした装飾。
わかった、わかりました、ごめんなさい。
食堂
き、きたあー。
ここもひどいー。
ちょっと薄暗い照明の中、長いテーブルにずらっと並んだ椅子。
ルパンが盗みそうな燭台がずらり。
超豪華シャンデリアもずらり。
映画?
映画の中なの?
室内装飾
このエリアで特に注目してほしいのが、室内の細かい装飾。
ソファや家具類の細工も素晴らしいのですが、壁、柱、ドア、天井、至るところに細かい細工が施されています。
このような豪華な装飾は第二帝政時代の特徴だそうです。
第二帝政期は、華やかで享楽的な雰囲気がパリに溢れていた時代。
ここだけが特別なのではなく、その時代にはこういう部屋があちこちにあったということなんでしょう。
ジャポニズム
調度品以外にも、様々な展示品を見ることができますが、中でも目についたのが、日本の小物類。
印籠や茶筒、小箱などですが、蒔絵や漆、螺鈿などの細かい細工や絵付けなどを見る限り、かなりの高級品でしょう。
ナポレオン3世は、幕末時の江戸幕府とも交流があり、1867年のパリ万博の際には第15代将軍徳川慶喜の弟である徳川昭武を宮廷に招いています。
これらの小物の数々も、もしかしたら将軍からの贈答品なのかもしれません。
工芸品の鑑賞は気合を入れて
ルーヴルの魔宮ぶりはこれまでさんざん書いてきた通りですが、こんなにすごいものがこっそりあるところがヒドイ。
有名絵画や有名彫刻以外にも、家具類や小物類、王冠などの装飾品など、日本ならそれだけで大行列の美術展が開けるほどの工芸品がごまんとあります。
ただ、普通に有名作品を鑑賞した後は疲れ果ててしまい、ついでに立ち寄ることはほぼ無いので、こういう物に興味がある人は、初めから「行くぞ!」という意気込みで行くのをおすすめします。








