Home > フランス旅行記 > アントワネットの離宮プチトリアノン

プチ・トリアノン遠景プチトリアノンは、ベルサイユ宮殿本体に比べれば一般的にはマイナーですが、ベルばらファンにとっては馴染み深い場所です。
様々なしきたりでがんじがらめの宮廷生活に嫌気がさしたマリー・アントワネットが引っ越したのがプチ・トリアノン。
ここに出入りできるのは、ポリニャック伯夫人をはじめアントワネットのお気に入りの少数の貴族だけ。
オスカル様は引越しに大反対しましたが、聞いてはもらえませんでした。
オスカル様は反対したものの、漫画に登場する重要スポットのひとつはやっぱり見てみたい。
なんといっても、ベルばら聖地巡礼ですから。
そんなわけで、グラン・トリアノンからてくてく徒歩でプチトリアノンに到着しました。

プチトリアノンとは

プチ・トリアノン近景「トリアノン」は、もともとはこのあたりの村の名前で、ルイ14世が村をまるごと買ったので名前が残っているのだそうです。
ルイ14世が家族と過ごすために建てたのがグラン・トリアノンで、その後、ルイ15世の愛妾ポンパドール夫人の発案で建てられたのがプチ・トリアノンです。
ポンパドール夫人は完成を待たずに亡くなり、この館はデュ・バリー夫人のものに。
その後、ルイ16世からアントワネットに贈られました。
アントワネットはこの館を自分好みに変え、周辺にも劇場や擬似農家を造り、お気に入りの楽園としました。
ベルばらファンとしては、プチトリアノン=アントワネットですが、最初はあのデュ・バリー夫人のものだったというのは意外ですね。

入口の紋章に注目

入口の紋章に注目グラントリアノンから直線の道をてくてく歩いていくと、プチトリアノンの入口があります。
小さい入口ですが、よく見ると金色の紋章が。
「M」と「A」を組み合わせた紋章は、マリー・アントワネットの頭文字を表したものです。
このエリアはマリー・アントワネットの離宮と呼ばれていますが、ほんとにアントワネットの館なんですね。
1階はチケット売り場になっていて、見学には5ユーロかかりますが、私たちはパリミュージアムパスがあったのでそれを見せればOKでした。

純白の礼拝堂

純白の礼拝堂入ると、中庭を過ぎて礼拝堂があります。
純白の壁に赤い椅子。
床はヴェルサイユ宮殿にもあった黒白の市松模様になっています。
ものすごく小さい礼拝堂で、びっくり。
宮殿内の荘厳華麗な礼拝堂に比べて、こちらはシンプルで何もない感じです。
宮殿の儀式にうんざりしていたアントワネットには、こういうかわいらしい礼拝堂がよかったのかなあ。

アントワネットの階段

ゴージャスなアントワネットの階段2階に上がる豪華な階段。
こういうゴージャスな階段はパリのあちこちで見ましたが、この階段の手すりは錠前職人のブロショワが作ったもの。
美しい金色の細工に、入口と同じ「M」「A」を組み合わせた紋章が見えます。
この館はルイ16世からアントワネットにプレゼントされたものなので、当たり前と言えば当たり前なのですが、ここの主はアントワネット。
プチトリアノンへは、王のルイ16世さえもアントワネットの招待がなければ来ることができなかったそうです。
ちょっとかわいそう...。

薔薇を持つマリー・アントワネットの肖像

薔薇を持つマリー・アントワネットの肖像階段で2階に上がると、各部屋を見学です。
控えの間と呼ばれる部屋にはアントワネットの肖像画があります。
ヴィジェ・ルブラン夫人の描いた「薔薇を持つマリー・アントワネット」です。
ルブラン夫人は、「ベルばら」にもアントワネットの肖像画を描くシーンがありますが、アントワネットお気に入りの画家でした。
「ほんとうにこまってしまいます...王妃さまのお肌があまりにも美しくすきとおっていて どんな絵の具をつかってもその色がでないのでございますもの」とルブラン夫人は言っていますが、確かにこの肖像画もアントワネットの肌の透明感が美しい。
そして、彼女の描くアントワネットは、美しいだけではなくて、とてもあたたかみがあって、王妃の鷹揚で優しい性格が伝わってくるような感じですね。
ちなみに、この絵でアントワネットが持っている薔薇は、ロサ・ケンティフォリア(100枚の花弁を持つバラ)という名だそうです。

大会食の間

大会食の間にあった美しい絵大会食の間と呼ばれる部屋は、ルイ15世が食事をした部屋です。
ここは、地上階で作った食事をここまで一瞬で運ぶ装置をつける計画があったのを、費用の関係でやめたのだそうです。
当時の貴族の食事って、オスカル様がロザリーの家に行ってその貧しさにびっくりしたシーンで描いてあるように何十種類もあったようなので、それを並べるだけでも時間がかかったんでしょうね。
美しい絵は、「漁」をモチーフにしたもの。
他にも「猟」「収穫」「ブドウの収穫」など、食にちなんだ絵が飾ってあります。

小会食の間

小会食の間にあった暖炉続いては、小会食の間。
アントワネットは、ここをビリヤード室としても使っていたようです。
大理石の暖炉や金の置時計、金の彫刻がさりげなく豪華さを醸し出しています。
暖炉の脇にはポンパドール夫人の肖像画もあります。
アントワネットのビリヤード姿は、いまひとつピンときませんが、フェルゼンやオスカル様はやったのかしら?

お供の間

ハープが置いてあるサロンアントワネットがお気に入りの貴族たちと音楽やゲームを楽しんだサロンです。
全体に赤い色調で統一してある部屋で、狭いながら洗練された豪華さがあります。
注目は、ハープとクラブサン。
「ベルばら」の中にも、アントワネットがハープやクラブサンを弾いているシーンが登場しますね。
実際、アントワネットはハープ演奏が好きで、先生について習っていたのだそうです。
「ベルばら」の中で、「どうですか? その後黒い騎士はあらわれましたかオスカル?」とオスカル様に語り掛けるシーンで、アントワネットはクラブサンを弾いていました。
また、アメリカ独立戦争から戻ってきたフェルゼンとの再会のシーンでは、アントワネットはハープを奏でていましたね。
あの再会シーンの場所は、アントワネットの階段らしき描写もあり、アンドレもはっきり「さっきフェルゼンが小トリアノンへ」と言っているし、プチトリアノンと思われます。

王妃の寝室

かわいい王妃の寝室アントワネットが使用した寝室です。
ここはデュ・バリー夫人も使った部屋ですが、アントワネットのものになってからは、インテリアや内装を自分好みに作り替えました。
このベッドは当時のものではないそうです。
でも、いかにもアントワネットらしい寝室。
ヴェルサイユ宮殿の王妃の寝室もロココ調の花柄でしたが、この部屋もすごくかわいらしい。
サーチライトは絶対嫌だって言うけど、こんな部屋に住みたいなあと思うシュクルでした。

アントワネットの内殿

ブルーを基調にしたクールな内殿白と水色で統一された、美しく洗練された部屋です。
右側の窓の下にある鏡は、移動可能な鏡なのだそうです。
外からの目隠しにするため下から上がって窓を隠すようになっていて、どうやら恋人との逢引きに使われていたようです。
「ベルばら」では、アントワネットとフェルゼンがトリアノン内で逢引きしているような描写はありませんが、実際には他の貴族の目が届かないプチトリアノンは、逢引きにはぴったりだったのでしょう。
こんな狭い部屋で逢引きって、ちょっと複雑...。

子どもたちがいっぱい

子どもたちがいっぱいここはヴェルサイユ宮殿ほど混雑することはなく、ゆっくり見学できましたが、目に付いたのが子どもたちのグループ見学でした。
幼稚園や小学生くらいの子供たちのグループが、先生に連れられて見学に来ていて、いろいろ説明を受けてレポートみたいなのを書いていました。
ルーヴルにもたくさんそういう子供たちがいましたが、さすが芸術大国フランス。
もちろんパリみたいな歴史的建造物満載の都市のようにはいきませんが、日本でももう少し地元の歴史物の見学や美術館見学があってもいいのにと思いました。

小さな宝石箱のような館

こうしてプチトリアノンの見学は終了。
絢爛豪華なヴェルサイユ宮殿に比べると、とにかくすごく小さくて狭い印象です。
小さい館の中に洗練された内装や調度類がぎゅっとつまった宝石箱のよう。
この小さい館は、アントワネットが自分のお気に入りの友だちや可愛い子供たちと親密に過ごすにはぴったりだったのでしょう。
そんなことを考えつつ館の見学を終え、次は王妃の村里へと向かいます。

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