数回に渡りヴェルサイユ宮殿一帯を「ベルサイユのばら」聖地巡礼としてレポートしましたが、ヴェルサイユはまる一日かけても足りないくらい見どころ満載の場所です。
しかし、もし私が「ベルばら」を読んでなければ、ヴェルサイユに対する興味はかなり低かったのではないかと思います。
プチ・トリアノンや王妃の村里にわざわざ行こうとは思わなかったかもしれないし、煌びやかな宮殿も、ただただ「すごい」で終わっていたことでしょう。
そして、私のように、「ベルばら」を読んでヴェルサイユやフランスに興味を持ち、行ってみたいと思った人たちがたくさんいると思うのです。
今回は、そんな人たちにおすすめの「ベルサイユのばら大事典」を紹介します。
ベルばら大紀行
本の初めに特集されているのが、「ベルばら大紀行」という企画です。
「ベルばら」ゆかりのスポットを、連載当時の絵と現地の写真で解説しているもの。
「ベルばら」のあらすじに沿って構成してあり、これを見ているだけでもパリに行きたくなってしまいます。
私がこの本を買ったのはパリから帰ってきてからなのですが、さりげなく通り過ぎた場所が「えっ、ここにアランが!そうか~。」といったような発見があり、なんだか悔しい気分。
ぜひ、パリに行く前に読むことをおすすめします。
アントワネットの食事にびっくり
「ベルサイユのばら」の舞台となった18世紀フランスの文化や風俗を取り上げた企画に、「ベルばらアカデミー」というのがあります。
ファッション特集や当時のしきたりなどおもしろい内容が多いのですが、びっくりしたのが食事です。
「女王の晩餐」と題した、1788年7月24日(革命が起こる約一年前)のトリアノンでの食事のメニューが載っているのですが、それがもうすごいのなんの。
スープ4点、肉料理の大皿2点、大皿じゃない肉料理16点、前菜4点、焼き物8点、デザート16点。
ちなみに、前菜も焼き物も、ほとんど肉料理です。
羊、若鶏、野うさぎ、七面鳥、牛、鴨...。
トリアノンの農場にはいろいろな家畜がいたし、ベルサイユの森で狩りをした獲物には不自由はなかったでしょうが、それにしてもどれだけ肉が好きなのか、フランス人。
オスカル様のセリフにもあったけど、こんな食事をしてたんですね。
ロザリーは、野菜のきれはしが浮いたスープだけだったのに...。泣。
池田理代子先生のコメント
この本での重要ポイントは、主要登場人物について作者である池田理代子先生のコメントがあることです。
「なるほど~」と思うこともあれば、「ええええっ!(,,゚Д゚)」と驚愕することもあり、まだ読んでいない「ベルばら」ファンの人は、ちょっと覚悟して読んだ方がいいかも。
私はかなりショックを受けましたよ。笑。
ちなみに、池田理代子先生の理想の人はルイ16世、お気に入りはジェローデルだそうです。
なつかしい特集記事と意外なエピソード
「ベルサイユのばら」は、「少女マンガに歴史ものはダメ」という当時の常識を覆す空前のヒットとなり、一大ブームを巻き起こしました。
当時の人気ぶりを伝える特集を見ると、なつかしさと共に、レトロな昭和臭に笑えます。
西条秀樹が軍服着てオスカル様と剣を交えていたり。笑。
当時小学生だった私も、宝塚の舞台(安奈淳さま版と汀夏子さま版)をTVにかじりついて観たり、ベルばらのイラスト入りの水泳バッグが自慢だったり、母に頼んで実写版の映画に連れて行ってもらったりしました。
もっとも、原作至上主義だったので、アニメ版は絵柄もストーリーも認めない、グッズは原作の絵以外は認めない、映画の主演カトリオーナ・マッコールはグラマラスな唇ぽってりセクシー女でオスカル様とは認めない...等々、厳しいこだわりもありました。笑。
映画はラストも全く原作と違っていて、見終わった後、大ブーイングでしたよ。
ちなみに主演のオスカル、池田理代子先生はジェーン・バーキンにしたかったのだそうです。
ジェーン・バーキンがオーディション受けてたんですね。びっくり。
フランスに行ったことがなかった
この本を読んで一番驚いたのは、池田理代子先生はフランスに行ったことがないまま「ベルサイユのばら」を描いたということ。
連載終了後、初めてフランスに行ったのだそうです。
連載開始時は1ドル360円の時代で、海外旅行は簡単に行けるものではなかったし、池田理代子先生もまだ若手で原稿料が安かったのだとか。
実際にヴェルサイユ宮殿やプチトリアノンなどを見て、漫画のシーンを髣髴とさせるところが多かったので、てっきり現地取材を済ませてから描いたのだと思っていました。
あれは全部写真を見て描いていたんですね。
さすがの筆力に脱帽です。
名作は永遠に
私が初めて「ベルサイユのばら」を読んだのは小学校低学年の時ですが、今読んでも新たな感動があり、作品としての完成度の高さと奥の深さに驚嘆します。
時代を超え読み継がれる「ベルサイユのばら」。
池田理代子先生は、多くの日本人が「ベルサイユのばら」を通じ、フランスの歴史、言葉、食文化などに関心を持ったという功績で、フランス政府から2009年にレジオン・ドヌール勲章シュバリエ章を授与されました。
まさに、私も「ベルばら」でフランスに興味を持った一人。
そしてこれからも、「ベルばら」を通じてフランスに興味をもつ人は絶えることはないでしょう。
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