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Sep
19
2012

マサリコヴォ通りは建築の野外博物館

プラハ旅行4日目。
この日の主戦場はプラハ新市街です。
旧市街の東から南にかけてぐるっと囲むように広がる新市街は、14世紀カレル4世時代の市場から始まり、19世紀に現在の姿に整備されました。
プラハを表す異名の中に「建築の野外博物館」「建築の宝石箱」というものがありますが、新市街はルネッサンスからポストモダンまで様々な建築がずらっと並ぶエリアです。
プラハの建築と言えばおなじみの「プラハを歩く」を片手に、国民劇場からカレル広場まで、ヴルタヴァ川沿いを歩いてみました。

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ラテルナ・マギカ/Laterna Magika

ラテルナ・マギカ前は歩道の工事中ホテルから乗ってきたトラムを降りると、通りを挟んで向かい側に、ガラスの立方体を組み合わせたような現代的な建物の「ラテルナ・マギカ」がありました。
なにその名前? 魔法少女とか、いるの?
調べてみると、「ラテルナ」は「ランプ」、「マギカ」は「マジック」を表すラテン語で、「ラテルナ・マギカ」とは17世紀に発明された「幻灯機」のこと。
1958年ブリュッセル万博のチェコ・パビリオンで、フィルム・プロジェクターにパントマイムやダンス、音楽を融合させたパフォーマンスが行われ、それを「ラテルナ・マギカ」と呼んだのが始まりで、後に劇場の名前になったそうです。
その名の通り、上演されているのは、映像と演劇・ダンスを組み合わせたプログラム。
プラハに行くまでは全く興味が無かったけど、詳しく調べたらちょっと見てみたくなりました。
ぜひ日本に来て、「ワルプルギスの夜」とか上演してくれないかな?

国民劇場/Národní Divadlo

国民劇場の前も道路工事中ラテルナ・マギカからチェコ軍団橋(レギー橋)の方に歩いていくと、「国民劇場」が堂々とそびえ立っています。
プラハでの最初の劇場は、モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」初演で有名なスタヴォフスケー劇場ですが、当時はドイツ語での演目ばかりでした。
それに対し、民族運動が高まってきた19世紀半ば、「チェコ語によるチェコ人のための舞台を」というスローガンを掲げ造られたのが国民劇場です。
ネオ・ルネッサンス様式で、設計はチェコ人のヨゼフ・ジーテク。
1881年完成の2ヶ月後、なんと火事で舞台と客席が全焼してしまいましたが、チェコの人々の思いは強く、市民はもちろん、農民までもが募金に参加し、2年後には再建されました。
現在も、スメタナやドヴォジャークなどのチェコ語のオペラを中心に、演劇やバレエなどを上演しています。
まるで黄金の冠をかぶっているような屋根に、今にも天に向かって駆け出しそうな馬車を駆る天使の像を戴く劇場は、「ヴルタヴァ川の上の黄金の礼拝堂」という呼び名にふさわしい荘厳さです。

マサリコヴォ通り/Masarykovo

国民劇場からヴルタヴァ川沿いにダンシング・ビルまで続くマサリコヴォ通りは、シュクルが一番楽しみにしていた場所です。

1キロメートルのマサリク川岸には、5~6階建てのアール・ヌーヴォーのアパートが20棟ほど屏風のように建ち並んだ。
ペトシーンの丘に夕陽が沈むころ、それらは黄金色に染め上がる壮観な景色となる。

そんな「プラハを歩く」の一節を読んでしまったら、アール・ヌーヴォー好きとしてはもう行かないわけにはいかない!
ヴルタヴァ川沿いの道を歩きながら、通りの反対側に建つ色とりどりの建物を眺めます。

マサリコヴォのアパート群

これらの建物は、19世紀末から20世紀にかけて造られたもので、商工業が発達したボヘミアの裕福な市民たちの館。
パリでもよく見かけた、高さが揃ったアパート群ですが、よく見ると建物のところどころに美しい装飾が施されているのがプラハ風。
優美な曲線で造られたバルコニーの手摺り、植物や果物のレリーフ、女神の顔の彫刻など、アール・ヌーヴォーな香りでいっぱい。

女心を揺さぶる鉄の曲線古びた風情もいいどことなく和風な花の扉女神がいっぱい

ひとつひとつの建物は、色もデザインもばらばらなのに、美しいモザイクのように調和がとれているのは、「建築の宝石箱」の異名にぴったりの光景です。
あんなアパートに住みたいよう。
そんなシュクルの心を、「部屋の整理整頓ができるようになってからね。」と容赦なくぐっさり突き刺すサーチライトでした。

ダンシング・ビル/Tančící dům

ダンシング・ビルアール・ヌーヴォーの優美な建物を眺めながらマサリコヴォ通りを進んで行くと、イラーセク橋のたもとの交差点の角に、どーんと現れる不思議な建物。
円筒型の窓だらけのコンクリートビルに、くねっと体をくねらせてよりかかった、ガラスのワンピースを着た鉄骨ビル。
1995年に出来たこの現代建築は、ちょうど男性と女性がダンスをしているように見えるので「ダンシング・ビル」と呼ばれています。
踊っているビルなんて、初めて見ました。
しかも、まわりにあるのは、アール・ヌーヴォーな建物だったり、クラシックな教会だったり。
そんな中で一際異彩を放つダンシング・ビルは、アートで、モダンで、躍動的で、おしゃれで、なぜかちょっとレトロな匂いもしたり。
現代アートは嫌いだけど、このビルはかなりいいと思うシュクルでした。

カレル広場/Karlovo náměstí

カレル広場と奥に見えるのは新市街市庁舎ダンシング・ビルのある交差点を左折して行くと、カレル広場に出ます。
カレル広場は、もともとは、カレル4世によって牛市場として整備されたところで、今は広場というよりほとんど公園。
広場の向こうに見えるとんがり屋根は、ルネッサンス様式の新市街市庁舎です。
「新」なので新しいものかと思ったら、14世紀後半から16世紀後半までかかって造られたもので、よく見ると、塔のてっぺんがティーン教会の尖塔と似ています。
周りを見ると、ベンチに座ってくつろいでいる人や、ジョギングしている人など、みなさん思い思いの時間を過ごしています。
私たちも、ベンチに座ってしばし休憩していると、フェレットの散歩をしている人に遭遇。
すごくかわいかったのに、フェレットの動きがすばやくて、写真を取り損ねてしまいました。残念。

建築の宝石箱を楽しんで

久しぶりの地下鉄でプラハ本駅へこうして、ヴルタヴァ川沿いの散策も一段落。
近未来的な現代建築から始まって、クラシックで豪華な大劇場、波のように続く優美なアール・ヌーヴォー、踊るガラスのビル、中世の塔。
さまざまな時代のさまざまな様式の建物が次々と現れる光景は、まさに建築の野外博物館と言えます。
もっとも、「プラハを歩く」を読んでなかったら、こういうプラハの良さもわからなかったかもしれません。
これだけの光景を、ただなんとなく「きれいな街」というだけではもったいない。
せっかくプラハを歩くなら、ちょっぴり建築に興味を持って見ると、いっそうプラハの奥深さを感じられるのではないでしょうか。

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