Home / 北陸旅行記 / 永平寺を参拝見学する前に予習しておきたいこと

Oct
04
2013

永平寺を参拝見学する前に予習しておきたいこと

大晦日「ゆく年くる年」の除夜の鐘でも有名な永平寺。
永平寺は、鎌倉時代に曹洞宗の開祖・道元禅師によって開かれた座禅修行の道場で、曹洞宗の大本山です。
三方を山に囲まれた境内には、今でもたくさんの雲水(修行僧)が集い、禅宗の中でも最も厳しいと言われる修行生活を送っています。
その永平寺がある永平寺町は、恐竜博物館がある勝山市のすぐ隣。
福井を代表する名所旧跡で、一度は訪れたいと思っていたこともあり、恐竜博物館の帰り道に足を延ばしてみました。

- スポンサードリンク -

駐車場はお土産売店を利用

永平寺には、年間100万人近い参拝客が訪れるそうです。
そうなると、まず心配なのが駐車場。
永平寺の周辺には町営のコインパーキングがありますが、もともと永平寺があるのは深い山の中なので、広い駐車場というのは期待できません。

正門から永平寺へ

そんな時に利用したいのが、門前町に並ぶ土産物屋の駐車場。
参拝後、そのお店で買い物することを条件に、駐車場を貸してくれるのです。
どちらにしてもお土産は買うつもりだったのでWin-Win。
東尋坊もそうでしたが、福井はこのシステムが多いみたいですね。
車のキーを店の人に渡して、永平寺の正門へと向かいます。

一般参拝者向けの「吉祥閣」と「傘松閣」

正門から、苔むした参道を登り、立派な通用門をくぐったら、500円の参拝料を払って吉祥閣という建物に入ります。
ここは一般参禅者が座禅体験や写経体験をするための研修道場。
鉄筋5階建ての立派な建物です。

通用門から吉祥閣へ

入口で靴を脱ぎ、ビニール袋に入れて持ったまま1階の広間へ行くと、お坊さんが大きな境内図を前に参拝のポイントや注意点について説明してくれました。
永平寺は厳しい修行で有名ということもあり、参拝前は、勝手にあちこち見たら怒られるんじゃないかとか、広い境内で途方に暮れるんじゃないかとか、あれこれ心配していたので、こうして最初に説明してもらえると大変助かります。

境内図を見ながら説明を聞きます

基本的には参拝順路があり、立ち入り禁止の場所以外は自由に見学していいようです。
また、写真撮影も、修行僧に直接カメラを向けなければ撮影自由。
意外にも、サービス精神旺盛ですね。

絵天井の大広間

説明を聞いた後は、傘松閣へ。
こちらは一般参禅者の宿泊施設です。
傘松閣の見どころは、2階の「絵天井の大広間」。
昭和5年建築の156畳敷きの大広間の天井には、当時の著名な画家144名による230枚の絵があり、その呼び名がついています。
花や鳥の絵が主ですが、中には唐獅子やリスなども描かれていて、ひとつひとつ見ているのも面白い。
しかし、そんなことをしていると日が暮れてしまうので、ほどほどにして次に進みます。

雲水が修行する「七堂伽藍」

禅宗の寺院の特徴は、坐禅を組む人の姿に模した「七堂伽藍」です。
頭の「法堂」、心臓の「仏殿」、左手の「庫院」、右手の「僧堂」、腰の「山門」、左足の「浴室」、右足の「東司」。
これらは雲水の日常の修行に欠かすことのできない重要な建物とされています。

七堂伽藍へ

参拝順路は「僧堂」から。
僧堂は雲水の修行の根本道場で、坐禅・食事・就寝など、一日の多くをここで過ごします。
建物の中は見学できませんでしたが、「起きて半畳、寝て一畳」と言われる狭いスペースの中で、日々の修行に励んでいるそうです。

仏殿で参拝

続いて、高低差のある階段を上って「仏殿」へ。
七堂伽藍の中心に位置する仏殿は、二重屋根と石畳敷きの伽藍で、永平寺の御本尊・釈迦牟尼仏が安置されています。
一般参拝者は仏殿の中に入ることはできず、外から参拝します。

朝の法要が行われる法堂

七堂伽藍の最奥部にあるのが「法堂」です。
説法の道場で、仏殿と合わせて本堂の役割を果たしています。
永平寺は山腹の斜面に建てられた寺なので、一番高いところにある法堂からは、山々の美しい景色を眺めることもできます。

法堂からの眺望

「法堂」から階段を降りて、「大庫院」にやってきます。
ここは永平寺の台所。
右側の柱には、長さ約4メートルの「大すりこぎ棒」が掛かっていて、これを撫でると料理が上手になるという風説があるそうです。

長すぎて到底収まらない大すりこぎ棒

「大庫院」からさらに階段を下りて「浴室」へ。
永平寺では入浴も身と心を清める修行の一つです。
私語厳禁の「三黙道場」の一つで、作法に従って厳粛に入浴が行われます。

僧堂から山門を望む

続いて、廊下を渡って「山門」へ。
永平寺の山門は、永平寺で一番偉い禅師様だけが通ることを許される特別な門です。
また、修行僧が永平寺に入門する時と、無事に修行を終えて寺を出る時、人生に2度だけ通ることが許されています。
ちなみに、永平寺の修行期間というのは、特に修行年数の期限があるわけではなく、雲水本人の意思により自ら決定するそうです。

山門に掲げられた「吉祥の額」

七堂伽藍の最後は「東司」です。
東司というのはトイレのことで、ここも心身ともに清浄となる修行の場とされています。
「三黙道場」の一つであり、私語は厳禁です。

道元禅師の御真廟「承陽殿」

「七堂伽藍」ともに、永平寺で最も重要な建物とされているのが、「法堂」の左手にある「承陽殿」。
これは永平寺を開いた道元禅師の御真廟、いわゆる墓にあたり、日本曹洞宗の発祥の根源です。
承陽殿には、永平寺歴住禅師や全国の曹洞宗寺院の住職などの位牌も祀られ、曹洞宗の聖地となっています。

禅のマインドを学ぶ

さて。
曹洞宗大本山である永平寺を訪れる前に、少しは禅について勉強しておきたい。
あるいは、永平寺を訪れたことをきっかけに、禅のマインドを深く知りたくなった。
そんな人におすすめの一冊が、サンガ新書の「禅マインド ビギナーズ・マインド」です。
禅マインド ビギナーズ・マインドアップルの故スティーブ・ジョブズが禅に深く親しんでいたというのは広く知られていることですが、そのジョブズが「禅のバイブル」として愛読していたのが本書だとか。
そんなジョブズの写真の帯につられて購読してみると、これがすばらしくわかりやすい禅の解説書なのです。

本書は、曹洞宗の禅師で、アメリカで禅を指導した鈴木俊隆師の講話をまとめたものです。
この鈴木禅師も、永平寺で修行した僧の一人。
師のアメリカの弟子たちが編集した「Zen Mind, Beginner's Mind」は、世界24ヶ国で翻訳され、日本でも逆輸入という形で翻訳されました。

鈴木禅師が語る禅の修行の目的は、本書のタイトルにある「ビギナーズ・マインド」、つまり「初心」を保つことです。

初心者の心には多くの可能性があります。しかし、専門家といわれる人の心には、それはほとんどありません。

この冒頭の一節に集約されるように、「初心」というのは、「空」であり、「無限」であり、すべてを含む可能性です。
つまり、人は誰でも禅の理想の状態から始まります。
しかし、その純粋な心を保ち続けることは難しい。
そして、その「初心」を保ち続けるための方法が、坐禅であり、呼吸であり、修行です。
こうした「禅のマインド」の大切さと、それを体得するための日常の修行の方法が、平易な言葉で説明されています。

本書を読む前後では、禅に対する捉え方がまるっきり変わります。
禅というのは、堅苦しいものでも厳しいものでもなく、もっと身近で軽やかなものなのです。
本書を愛読していたというジョブズが、「Think Simple」というアップルを貫く哲学にこだわったのも、すんなり腑に落ちるでしょう。
せっかく永平寺を訪れるのなら、ぜひ熟読を勧めたい良書です。

次は座禅修行も体験してみたい

こうして、永平寺の観光所要時間は1時間ほど。
訪れたのは秋の彼岸ということもあり、永平寺の名前が入ったろうそくを買って、実家の仏壇に供えました。

美しい仏が坐る放生池

実を言うと、サーチライトの実家は曹洞宗の檀家。
祖母が亡くなった際、菩提寺の若い住職様が「永平寺の修行から帰ってきたばかりで、これが初仕事なんです」と言っていた記憶があります。
そういう私たちも、今回は参拝見学だけでしたが、次は修行体験もしてみたいと思ったり。
永平寺では、3泊4日の日程で修行僧に準じた生活を送る参禅修行も体験できるそうです。
喫煙の煩悩がどうにかできれば、ぜひ参加したいところなんですけどねぇ...。

禅マインド ビギナーズ・マインド
禅マインド ビギナーズ・マインド鈴木俊隆 松永太郎
おすすめ平均
stars自由自在の説法で痕跡を残さない
starsとてもわかりやすい禅の解説書
stars難解なところもあるが理解する必要はない...
stars禅とは
stars禅の正しい座り方などが書かれているので...
Amazonで詳しく見る

- スポンサードリンク -

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Comments:0

Comment Form

コメントは管理人の承認後に公開されます。

Information
  • twitter
  • rss
  • はてなブックマーク
  • Instagram
カテゴリー
タグクラウド
記事への反応

back to top