Home / 京都旅行記 / 嵐山「天龍寺」借景庭園の発想に脱帽

Mar
06
2015

嵐山「天龍寺」借景庭園の発想に脱帽

今回の京都紅葉鑑賞旅行のラストを飾るのは、臨済宗・京都五山の一つ「天龍寺」
南北朝の戦いに勝利した足利尊氏が、犠牲となった人々を敵味方の区別なく供養しようと創建した禅寺で、世界遺産「京都十七社寺」の一つでもあります。
その最大の見どころは、国の史跡・特別名勝の第一号に指定された「曹源池庭園」。
その庭が最も美しくなるのが紅葉の季節です。
嵐山や亀山を借景とする雄大な風景は、息をのむほどのド迫力。
そんな秋の天龍寺の見どころを紹介します。

- スポンサードリンク -

北門から百花苑を歩く

竹林の道から北門参拝受付で庭園拝観料500円を払って中に入ると、「百花苑」と呼ばれる庭園があります。
その名の通り、春には桜や梅をはじめ、色とりどりの花が咲き乱れる華やかな庭のようですが、
今はまさに晩秋。

天龍寺・北門

庭園内には、なにやら巨大な硯のモニュメント。
明治32年、法堂の天井の「雲龍」の絵を鈴木松年画伯に依頼したところ、画伯は60数人の修行僧が摺った墨を用い、大筆で一気に勇壮な雲竜図を描き上げたと言われています。
この硯石を拝むと書画が上達するそうで、ブログの記事がサクサク書けるように拝んでおきました。

巨大な硯石

百花苑は昭和58年に整備された庭園ということで、京都にしては新しさを感じさせる部分もあったりします。
なにやらお茶目なカエル発見。
この水は80mの地下から湧き出る泉で、飲むと愛と幸せを受けるとされていて、「愛の泉」と言われているそうです。

おちゃめなカエル

歩いていくと、後醍醐天皇の像が祀ってある多宝殿が見えてきます。
天龍寺は後醍醐天皇の菩提を弔うためのお寺なので、ここの要といってもいい場所。
屋根の形がかっこいい。

天龍寺・多宝殿

多宝殿を過ぎると、「小方丈」と呼ばれる書院、さらに天龍寺で一番大きな建物である「大方丈」へと続きます。

渡り廊下

広い境内は、どこもかしこも秋の風情たっぷりで絵になる光景がいっぱい。
本当に、お寺と紅葉の相性は抜群ですね。

大方丈から曹源池を眺める

天龍寺は創建以来8度の火災があり、その度に再建されて、現在の大方丈は明治32年の建築です。
本尊の釈迦如来坐像は、天龍寺造営よりずっと古い平安時代後期の作で、8度の火災でも燃えることのなかった尊い像です。

天龍寺・大方丈

この大方丈の前にひらけているのが、曹源池庭園(そうげんちていえん)。
中央の曹源池を巡る池泉回遊式庭園で、創建者・夢窓国師の作庭です。
なんといっても特徴的なのが、池の向こうに見える亀山や嵐山、愛宕山の迫力。
庭に入ると、どーんと山の姿が目に飛び込んできて、圧倒されます。

曹源池庭園

庭の外側の風景を庭の一部に取り込む「借景(しゃっけい)」という技法ですが、これほど大胆な借景は他にないんじゃないでしょうか。
この池には遠近法が取り入れられていて、池の南側の左手は池の幅が広く、北側の右手は狭くなっています。
南側は山が近くに、北側は遠くに見えるようになっているわけです。

山が目前に迫る

曹源池のもうひとつの見どころは、池の向こう側にある石組み。
石組みで、龍門の滝を表しています。
龍門の滝とは、鯉が急流を登りきると龍になるという中国の故事「登龍門」のこと。
滝の流れも石で表し、鯉魚石は滝の下ではなく中段にあって、龍に変わる途中を表しています。

龍門の滝

縦長の石が滝を表しているのはわかるのですが、どれが鯉の石なのかは残念ながらよくわかりませんでしたが、壮大な大自然の借景の中にそういうアレゴリーがあるのが、日本庭園らしいという気がします。

錦秋の嵐山

たくさんの観光客の中に和服姿の女性グループがいて、華やかな着物と色とりどりの嵐山がベストマッチ。
外人観光客が「ビューティフル」を連発してさかんに写真を撮っていました。

法堂の雲竜図

天龍寺でもうひとつ有名なのが、法堂の天井に描かれている雲龍図です。
法堂(はっとう)とは説法堂のことで、住持が仏に代って衆に説法する場所。
初めは明治32年に鈴木松年画伯が描いた雲龍図でしたが、平成9年に法堂移築100年・夢窓国師650年遠諱記念事業として、加山又造画伯により新しく雲龍図が制作されました。

天龍寺・法堂

加山画伯の絵は「八方睨みの龍」と呼ばれる迫力のあるもので、ぜひ見てみたかったのですが、拝観料が別に500円かかるのと時間がないのとで今回はパス。
またの機会のお楽しみにしておきます。

庫裏の達磨図

最後に向かったのは、庫裏(くり)。
庫裏は台所兼寺務所で、玄関にある巨大な達磨図は天龍寺の顔とも言える存在です。

天龍寺・達磨図

迫力満点だけどなんだかユーモラスな顔で、なるほどこれは人気者になるな。
ところで、達磨ってインド人なんですね。へー。

春秋の争いもむべなるかな

庫裏を後にして門を出ると、少し風が出てきて、紅葉がはらはら散っています。
振り返ると、風に揺れるススキの向こうに嵐山が見えて、秋の終わりを感じさせる風景が広がっていました。
日本って美しい国だなあと、しみじみ。

秋の終わり

秋の京都にいると、万葉集でも源氏物語でも、春と秋とどちらが良いか論争になっているのもわかる気がします。
こうなると、春の京都も見てみたいな...。
そんなわけで、今度は春の弾丸京都旅行を視野に入れつつ、嵐山を後にしたのでした。

もくじ 48時間!弾丸京都旅行記・秋

- スポンサードリンク -

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Comments:0

Comment Form

コメントは管理人の承認後に公開されます。

Information
  • twitter
  • rss
  • はてなブックマーク
  • Instagram
カテゴリー
タグクラウド
記事への反応

back to top